古平町
セタカムイの岩 R229沿いの悲しい伝説が残る岩。 昔、ラルマキという若い漁師が一匹の犬(シロ)を飼っていた。 ある時、海が久しぶりに凪になり、ラルマキは仲間と共に漁に出かけた。シロは海辺でいつもように主人の帰りを待っていた。 ところが穏やかだった海が荒れ始め、日が落ちる頃には暴風雨になってしまった。村人は海辺でかがり火を焚き、漁師たちの無事を祈った。やがて難を逃れた漁師たちが海辺に帰ってきたが、ラルマキは帰ってこなかった。 暴風雨は何日も続いたが、シロは海辺でラルマキの帰りを待っていた。そしてある夜、悲しい犬の遠吠えがいつまでも聞こえていた・・・。 その翌朝、暴風雨は収まったが、シロの姿は海辺になく、代わりに犬の遠吠えをした形の岩が立っていた。 村人はこの岩を「セタカムイ」(犬の神様)と呼ぶようになった。 |