旅の足跡〜北海道編〜
Memories in Hokkaido

小樽市

小樽運河 小樽運河

 1923年(大正12年)に完成した幅40m、長さ1300mの運河。
 運河の完成後、艀(はしけ)舟を使って、停泊する船からの荷揚げが行われていた。
 しかし、このような艀船を使う荷揚げ方式は、戦後の樺太輸送の断絶、太平洋側の苫小牧港や小樽港湾内の埠頭の整備によって衰退していった。
 高度経済成長期になると、小樽市は不要となった運河を埋め立て、道路として整備する方針を打ち出す。
 これに対し運河の保存運動が全国規模で高まる(所謂「運河論争」)。
 保存運動を受けて、小樽市は運河の半分の幅を(↓)
北運河 小樽運河(北運河)

(↑)残す妥協案を提示するが、全面保存を求める保存派と意見が折り合わないまま、1983年(昭和58年)に埋め立て工事が着手され、1986年(昭和61年)に現在の道道17号線が開通した。
 観光スポットとなった浅草橋から中央橋の間(ガイドブックに載る「小樽運河」)が、皮肉にも埋め立てが行われた場所である。(運河の幅はほぼ半分になった。)
 一方、訪ねる人が少ない北運河は埋め立てが行われず、当時の面影を残している。
 個人的には夕暮れ時の北運河がオススメ。
旧日本郵船株式会社小樽支店 旧日本郵船株式会社小樽支店

 佐立七次郎が設計を行い、1906年(明治39年)10月に建てられたルネッサンス様式の建物。
 完成後の翌月、ポーツマス条約に基づく日露の樺太国境確定会議が開催された歴史的な建物でもある。
 国の重要文化財に指定されている。
 館内には小樽や日本郵船、樺太国境確定会議に関する資料が展示されている。
 入館料は大人100円。
旧国鉄手宮線跡 旧国鉄手宮線跡

 1880年(明治13年)11月28日に開通した官営の幌内鉄道(手宮〜札幌〜幌内)の一部。
 1889年(明治22年)、北海道炭坑鉄道に譲渡される。
 1906年(明治39年)、国鉄に買収され、1918年(大正7年)に手宮線(手宮〜南小樽)という名称になる。
 その後、旅客輸送は1962年(昭和37年)5月14日に廃止、貨物輸送は1985年(昭和60年)11月4日に廃止され、その歴史に幕を下ろす。
 廃線跡(2.8km)は手つかずのまま残っていたが、色内駅跡周辺は遊歩道として整備された。
旧小樽倉庫(小樽市博物館) 旧小樽倉庫(小樽市博物館)

 1893年(明治26年)、加賀の商人であった西出孫左衛門、西谷庄八によって建てられた倉庫。
 木骨石造で、外壁には札幌や小樽の軟石、屋根には若狭産の瓦が使われている。
 屋根には高さ1.5m、重さ120kgの銀瓦製のシャチホコが飾られている。
 館内は小樽の歴史や民俗等に関する資料が展示されている。
 入館料は大人100円。
旧日本銀行小樽支店 日本銀行旧小樽支店金融資料館

 日本近代建築の礎を築いた辰野金吾、長野宇平治、岡田信一郎が設計を行い、1912年(明治45年)に建てられたルネッサンス様式の建物。
 かつて「北のウォール街」と呼ばれた色内を代表する建物である。
 2002年(平成14年)9月13日付で小樽支店は廃止(札幌支店に統合)されたが、2003年(平成15年)5月14日からは「金融資料館」として使用されている。
 入館料は無料。
旧安田銀行小樽支店 旧安田銀行小樽支店

 1930年(昭和5年)に建てられた旧安田銀行(現在のみずほ銀行(旧富士銀行))の小樽支店。
 1970年(昭和45年)に日刊北海経済新聞社の社屋(本社)として使用されている。
旧三井物産小樽支店 旧三井物産小樽支店

 1937年(昭和12年)に建てられた三井物産の小樽支店。
 戦前の道内事務所建築の代表作とも言える建物で、外観のツートンカラーがオシャレである。
旧三井銀行小樽支店 旧三井銀行小樽支店

 1927年(昭和2年)に建てられた小樽で最初の鉄骨鉄筋コンクリート製の建物。
 2002年(平成14年)11月18日まで三井住友銀行(旧三井銀行)小樽支店として使用されていた。
旧北海道銀行本店 旧北海道銀行本店

 日本近代建築の礎を築いた長野宇平治が設計を行い、1912年(明治45年)に建てられた旧北海道銀行(現在の北海道銀行とは無関係。破綻した北海道拓殖銀行の前身)の本店。
 現在は小樽バイン(ワインのお店)として使用されている。
旧久保商店 旧久保商店

 1907年(明治40年)に建てられた木造2階建の建物。
 現在は甘味処のさかい家として使用されている。
旧中越銀行小樽支店 旧中越銀行小樽支店

 1924年(大正13年)に建てられた中越銀行(現在の北陸銀行)の北海道最初の支店。
 現在は菓子店の銀の鐘として使用されている。 
メルヘン交差点(小樽洋菓子舗ルタオ) メルヘン交差点(小樽洋菓子舗ルタオ)

 西洋風の建物に囲まれたオシャレな交差点。
 メルヘン交差点に隣接する小樽洋菓子舗ルタオのチョコレートはオススメ。
 
旧共成株式会社(小樽オルゴール堂) 旧共成株式会社(小樽オルゴール堂)

 1912年(明治45年)に建てられた木骨煉瓦造の建物。
 現在は小樽オルゴール堂の本館として使用されている。
 メルヘン交差点側にある蒸気時計がオススメ。1時間ごとの時報のほか、15分ごとにも蒸気を使った愛嬌のある演奏をしてくれる。